半年前くらいにすっごく話題になっていた「フリー」。図書館で予約をして、3ヶ月まってやっと順番が回ってきて、GW中に読むことに。
もともと「フリー」の概念自体は昔からあって、「一つ買うと無料」とか「お試し無料」とか、マーケティング的な使われ方をしてきた。これがデジタル経済が発達するにつれて、「フリー」に新しい概念が追加され、発展しているのが現在進行形のところで、これはまだうまい答えがでていない。なので、その仕組みを理解して、自分たちなりに工夫してチャレンジすることで、ビジネスチャンスがつかめるのではという、著者のメッセージみたいなのが伝わってきました。
ネットの世界にいると、「情報は無料になりたがっている」という意味は直感的に感じると思う。これを「どうしてそうなのか?」という理由をきちんと説明しているので説得力のある内容となっています。
例えば、ベルトランが唱えた理論で「競争市場においては、価格は限界費用まで下落する。」法則は、今の経済で起こっており私たちの身の回りにはものがあふれて、そのもの自体あっという間に価格が安くなる。そしてネット内のあらゆるビットは「ほぼゼロの限界費用」となるため、フリーの流れを止めることができない。
とにかくネットの世界はデフレ状態、「有り余っているものを無駄に扱う」という発想が重要になってくる。そして「今日の革新者とは、新たに潤沢になったものを着目して、それをどのように浪費すればいいかを考えつく人」がフリー経済で成功するかどうかのキーになる。別のいい方をすれば、「非貨幣経済で得た信用をお金に変換できるか、それが21世紀の主戦場だ!」(週間ダイヤモンドでの著者のコメントかな)ということです。
じゃあ、フリーで集めたもの(評価、ユーザー)をどうやってお金にかえるか?これは著者がいう、「ハイブリット経済」でコントロールとカオスを同時に追求することだ。フリーで集めた「潤沢」な非貨幣価値の収益プランはgoogleに代表されるように、まずは新しいものを生み出し続け、まずは大量の顧客をつかまえることが重要で、マネジメントも制御せず、収益プランもあとから考える。で、その中から「希少」を見いだし、お金にかえる、ここにはビジネスプランとマネジメントが必要になる。
どんなにお金をかけてつくったとしても、顧客が価値を見いださないのであればそれはフリーにするしかない。フリーに勝つにはそれよりよいもの、違うものを提供するしかない。それが物なのか、サービスなのか、何なのかは自分が提供するものによってオリジナルで考えるしかない。
私たちの未来は、もっと「個」が台頭して、それぞれがサービスを提供する時代なのかもしれない。いままでの大きな枠で、だれでもできることをしていたら、もう生きるのが大変になるんじゃないかな。ホント、おもしろい時代になったのかもしれないね。
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