NHKのドラマでやっていたのがきっかけで読んでみたのがこちら。
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角田光代さんはよく女性誌なんかにも連載されていて、なかなかおもしろい視点だなあと記憶していたのですが、がっつり読むのはじめて。とにかく、読みやすく、ぐいぐい引き込まれる内容で一気に読めちゃいました。
出だしはよくある不倫話しがこじれたら、こんな事件まで発展しちゃうんだろうなあという展開で、不倫相手(男)の家庭の赤ちゃんを主人公の普通のOLが誘拐して逃げるところから始まります。え〜、そんなに簡単に逃げれるのかな、、と思いつつ、逃亡生活のエピソードをどんどん読んでいくうちに切なくって、心がぎゅっとしちゃいました。日本ではかなり法に守られており、そこから外れて生活することってかなり大変なんだなあとこれを読んでいて思いました。途中でエンジェルホームという外界から隔離された女性だけの宗教団体みたいな施設に住むことになったりしますが、時代背景的にちょうどその頃オウム真理教が流行っているので、だぶったりもしました。数年の逃亡生活の後、捕まっちゃうんですけど、捕まったときの描写がなかなかいいのです。
その後のストーリーはこの誘拐されて子供が成人して、過去の記憶に立ち向かうというお話ですが、本人も戻った先の家族(不倫相手の男性の家族)も何かを失い、みんなとても苦しんでる姿が描かれていますが、やぱりこれは親が悪かったんだろうなあと。しかし、親も普通の人間なので、かなりリアルに描かれているんじゃないでしょうか。。最後にこの誘拐された子が未婚の母になることを決め、バラバラになった家族とやり直す姿が、とても心強かったです。
おそらく女性が読むと、どんな立場の人でも何かしら感じる部分があるのではないかと思います。家族がいてもいなくても、世間の枠にはまっていてもはまっていなくても、人生それぞれ、自分らしく生きるのが幸せじゃないの?という問いを投げかけられた感じがしました。